KINTARoMSC.CoMスタッフが気になる幹細胞関連のニュースを皆様にご紹介します。今回は、磁力を応用し、肺に幹細胞を留める事で肺機能の改善に成功したという、肺疾患の治療に新しい可能性を見出した研究報告をお伝えします。
幹細胞の働き、そして現在の肺疾患治療の課題とは?
再生医療やアンチエイジングで話題の幹細胞は、点滴投与や皮下投与など様々な方法で体内に取り入れられます。血管に入った幹細胞は、幹細胞自体が損傷している部位を見つけ、全身に分散し再生能力を発揮する働きがあります。素晴らしい役割を持つ一方、狙った部位に効果を出すことは難しいというのが、これまでの状況でした。
慢性閉塞性肺疾患(COPD)のような慢性肺疾患では、末期には肺移植しか根本的な治療がありません。幹細胞による再生医療が移植の代わりになると期待されていましたが、単なる点滴投与では幹細胞がバラけてしまうため、末期の損傷しすぎた肺にはその効果は大きく現れないことが過去の研究結果からわかっています。
なぜ磁力と幹細胞なのか
研究者らは、ナノサイズの磁石を取り込ませた幹細胞を点滴投与し、胸にも磁石を取り付け、肺に幹細胞を留めることで肺の組織を再生することに成功しました。つまり、幹細胞が磁石のS極、胸の磁石がN極になり、幹細胞が胸の磁石に引き寄せられ、幹細胞の再生能力が肺に集中したということです。
幹細胞治療によるアンチエイジング
今回は、過度に損傷した肺に幹細胞を部分的に利用して疾患を治療するというニュースをご紹介しました。
身体に重い疾患がある方にとっては、幹細胞の部分治療は魅力的です。しかし、この磁石を用いた投与は、動物実験のステップであるため、ヒトに使うことは遠い未来になりそうです。
近年、幹細胞を利用したアンチエイジングが話題ですが、この場合、幹細胞は単なる点滴で投与されます。
なぜ点滴で投与するだけでアンチエイジング効果が発揮されるのでしょうか?
アンチエイジングや身体能力の若返りという点では、幹細胞自体が「損傷している部位を見つけ、再生する」という機能をもつため、点滴投与で全身に作用させることが有効だからです。
また、点滴投与は既に安全面もクリアされており、誰でも治療を受けることが出来ます。
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幹細胞治療に興味を持ったとしても、専門用語が多く分かりにくいという声を耳にします。幹細胞や再生医療を初めて学ぶ方のためにも「分かりやすさ」をポイントに動画を作成しています。あなたの幹細胞治療、アンチエイジングのきっかけになれば嬉しいです。
(以下、記事より一部抜粋)
“Upon removal of the magnets, we examined all the animals in all the groups and found that those implanted with magnets had a significantly larger amount of magnetized MSCs in their lungs,” Dr. Cruz said.
In the second step of the study, the team analyzed the effects of magnetic targeting compared to treatment with non-magnetized MSCs. Seven days after the magnets were removed, the animals were assessed. Those treated with magnetized MSCs plus magnets showed significant reductions in static lung elastance, in resistive pressure and in granuloma area—all signs of lung improvement—while the mice in the other groups did not.
“This tells us that magnetic targeting may be a promising strategy for enhancing the beneficial effects of MSC-based cell therapies for silicosis and other chronic lung diseases,” Dr. Rocco said.
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